その番組とはイギリス公共放送BBCのTV番組「Watchdog」(http://www.bbc.co.uk/watchdog/ ) 。消費者の目線から疑問点、問題点を徹底調査・追跡し、消費者と共に企業に追求するという「消費者警察」のような番組です。私が特に興味を持った話は今年10月18日放送された「Meet and greet-ed or mistreated?」(会えて良かった?それとも会わなかった方が良かった?)(http://www.bbc.co.uk/blogs/watchdog/2010/10/airport_parking.html ) というお題で、想像を絶する、ありえない、でもよく考えればできそうな話を取り上げていました。
取材地は空港近辺によくある「エアポート・パーキング:私設空港駐車場」。日本の成田空港付近にも約100社に上る私設空港駐車場がありますが、その利用方法は日本でもイギリスでもほぼ同じです。空港近くの駐車場までマイ・カーで移動、駐車場からは駐車場管理会社が運営するマイクロバスで空港まで移動、 旅行中はその駐車場管理会社が預かった車を徹底して管理してくれ、その代金として預かり期間の駐車場料金を支払います。
まず番組が取り上げたのは、イギリス男性が1週間とある私設空港駐車場にマイカーを預けた時の話です。戻ってきて車内をみると、なかったはずのゴミ、移動されていたCD、自分のものとは違うカーナビの移動履歴、といかにも留守中に誰かが車を利用した形跡あり。駐車場運営会社に問い合わせたところ「そんな事実はないはずだ」との解答で終始。そんな折、あるオーストラリアの男性から突然電話があり、「僕がイギリスに旅行中レンタカーを利用したんだけど、明らかに個人の車で、車にあったあなたの個人情報を目にし念のため連絡しました」と驚く情報! 再度車の持ち主の男性が駐車場運営会社に問い合わせたところ慰謝料代わりに500ポンド(約65,000円)の提示があり、その後TV番組「Watchdog」の取材が入ったのを知った際には2,250ポンド(30万円近く)を支払いを提示したという呆れた有様。
番組は現状をさらに追求し、最近まで私設空港駐車場で働いていた若者のインタビューを紹介しています。「他人の車を移動できる仕事で保険が効く年齢は25歳以上となっているが自分は23歳でその仕事をゲット! もちろん会社は自分の実年齢を了承済みだった。」らしいです。
最悪の例として、私設駐車場管理会社に勤めていた18歳の若者が預かり物の高級車を高速道路で大破し路上に乗り捨てたという恐ろしい実態を紹介。警察から車の持ち主に連絡がありその事実をしることになったらしいです。
この番組のすぐれたところは調査だけではなく、おとり捜査をするところです。番組スタッフが高級車にモニターをセットし私設空港駐車場に勤務する男性に空港でマイカーを預けるところから追跡は始まります。その後その車の移動場所をモニターでチェック。初日はある農場の敷地に駐車、その次はセキュリティー・カメラがない公共公園の駐車場に駐車。えっ?! 空港付近のセキュリティー完備の駐車場でマイカーを預かってくれているのではないのぉ~?! その上車内にわざと置いておいた10ポンド紙幣もなくなっているという面白い結末...!こんな会社でも日本で言う警察庁に「安全施設」と認可された立派な会社らいいのです。この番組の取材で実名で取り上げられた会社の中には社名を変更して引き続き事業を運営しているところもあるとかです。
もちろん誠心誠意大切なマイカーを預かってくれている空港駐車場がほとんどだと思います。でも落とし穴はどこにでもあるものです。是非ご注意を★
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